甘麦大棗湯は3社からエキス剤が出ていますが、浮小麦のエキス濃度が最も高い1社のものを、3歳でしたら成人量の2/3くらいを使用してみてください。数週間で言語への反応性が高まるのを感じることが多いと思います。
甘麦大棗湯は、全て、食品に近い生薬なので、6歳くらいでは成人量を用いることもあります。
甘麦大棗湯の甘草に、11βHSD抑制によるコルチゾール作用維持効果により、脳のセロトニン神経の中枢である縫線核のDNAメチル化がASDで増加しているのを解除して、セロトニン神経などの活動を促し、浮小麦のトリプトファンがセロトニン合成を促し、大棗がオキシトシン受容体のアゴニストとして働き、同受容体を多く発現しているセロトニン神経やオキシトシン神経を活性化する機序が推定されています。
したがって、甘草の副作用が出ない程度に、大量の甘麦大棗湯を服用させることによって、遅くとも3か月以内に精神安定効果と社会性の発達、具体的には視線回避の減少、クレーン現象の増加、笑顔の増加などの症状が認められます。
言語機能は、かなり高度な前頭葉機能で、言語が出現する前に、アイコンタクトやクレーン現象などが出てから言葉に繋がっていきます。そのような発達段階を確認出来れば、そのまま継続しているとよいと思います。
もう少し成長すると、シナプス形成、セロトニントランスポーター発現の低下に対する漢方治療を加える必要があります。その部分の対応が不充分だと、ご質問のように、重症例では言語が出ない子もいますが、精神的安定は得られると思います。 成長と共に、様々な社会的ニーズ、ストレスが増えるので、パニック発作を起こす子もいますが、漢方薬は発達のベースラインを支えるものですから、必要に応じてASDに適応のある向精神薬を併用することは良くあります。
具体的な対応は、漢方初診オンライン診療にて診察させて頂ければと思います。宜しくお願いいたします。院長