夏の新型コロナ感染予防Ⅰ(令和2年7月)

 夏至を過ぎると、暦の上では、陰陽の消長(遁甲とんこう)が大きく変化します。陽の氣が増加する陽遁から、陰の氣が増加する陰遁へ変化していくので、人の心も体も、陰の氣が少しずつ増えて、実りの秋に向けて精神や肉体、内臓が充実していきます。
 ところが、今年の夏は、偏西風が日本列島の北に上がり、日本全国が例年より高温になるとの予測があります。高温になると多汗になって、津液(しんえき:体内循環水分)が不足し脱水になって、陰の氣を損ないやすくなるので、夏バテしやすくなると思われます。
 さらに、暑さ対策と脱水予防のために冷たい水分を摂り過ぎると、内臓が動かなくなり、生理的機能を失った水分が体内に溜まって、むくんで、水毒となるので、だるさが増して頭痛やめまいや吐き気が頻発し、下痢が増え、胃腸が衰弱して、さらに夏バテが悪化します。
 胃腸(特に大腸)と呼吸器系は漢方的に「金氣」に属す陰陽のペアであり、連動して免疫系をつかさどっているので、立秋を過ぎる頃から、例年以上に強い負担が呼吸器系にかかり、免疫力が低下して、気管支炎や肺炎に罹りやすくなることが、予想されます。
 さらに、今年の夏は過去最高と予測されている高温多湿によって、降水量も著しく増えるので、免疫力が不足すると、カビや湿邪による影響も無視できない状況になると思われます。

 いろいろと、心配なことばかりですが、この状況は、まだくすぶり続けている新型コロナウイルス感染(COVID-19)の予防を考える上で、大きなヒントになります。

  COVID-19 流行の第2波が心配ですが、世間では、新型コロナに罹らないようにと、マスクやソーシャルディスタンスのことばかりが話題になっています。もう少し、小児科医的な考え方や、漢方的な考え方を加えて、早めの予防策を考えた方が良いのではないかと思います。
 詳細は以下をご覧ください。

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