#17545
けんご(院長)
キーマスター

 西洋医学は、病気を発見して取り除くことを基本とする医学です。だから癌や病原体を見つけられれば、確実に治療ができるのです。病気を除くことができれば、その後の全身の健康状態は食事や生活面でのリハビリによって次第に回復してくると考えています。
 漢方医学は、病気のことを抽象的に『病気を治す力(正気)と病気を起こす力(邪気)の戦い』と考えていて、実際の癌や病原体を特定して治療をする訳ではありません。
 元気で体力があるうちは、発汗剤、吐下剤などで、体表や胃腸にある邪気は排除できますが、体内に埋もれている癌や病原体は取り除けません。元氣が無くなったら、邪気を除くことはひとまず置いておいて、生命力や自然治癒力を助ける治療を優先しますが、ほとんどが草根木皮の煮汁ですから、食べたり飲めたりできない人を助けることができません。人体を元氣にすれば病気が消えて行くだろうと考えているだけなので、癌を直接的に治療することは不可能です。つまり、漢方と生活習慣の改善だけでは、江戸時代の治療と何ら変わりません。

 西洋医学的にピンポイントで、癌に焦点を当てて、治る確率の最も高いことが客観的に証明されている『癌の標準治療』をしっかり行った上で、再発予防や体力回復に、漢方薬や生活習慣の改善を利用することが、最も安全で最高の治療法だと思います。

 この文章を、ご家族の方にお伝えいただいて、それでも西洋医学は嫌だと言うなら、『そのお考えは非常識で、がん治療に対して無意味に時間が過ぎていくだけで、危険です。』と院長が言っていたとお伝えください。
 西洋医学の癌治療の副作用を軽減するという漢方薬のエビデンスがありますから、当院でも積極的に、他院での西洋医学的がん治療を、漢方薬でサポートしていますが、西洋医学の治療と併用しなければ、癌を治すことはとても難しいと思います。

 紹介状は、腫瘍マーカーを測定していただき、前立腺癌を疑っている主治医の先生に書いて貰ってください。私にはデータが無いので紹介できません。もし、健診で疑われたのなら、健診結果を直接持参すれば、どこの病院でも診てくれるはずです。
 当院で説明したり、紹介状などと言っている時間がもったいないので、言いたいことを全て文章にしましたので、宜しくお願い申し上げます。