神無月は神々様の決算期(令和6年10月)

  10月を古来から神無月と言って、八百万の神々が出雲の地に集まる決算期だとされています。何を決算するのか、全国の産土神が、それぞれに担当している人々の徳と劫を勘案して、神徳を与え、運を添えていただいて、稔りの秋をもたらしてくださるのだそうです。そのことに感謝して、神々様を再認識する、とても大切な季節だと考えられていたようです。

 漢方医学は、目に見えない「気」というものをとても大切にしています。秋には寒気が次第に強くなり、気が冷えると、気が滞り、気が沈み、気が落ち込んで、気が枯れてきます。秋に感じる「もの悲しさ」も同じです。
 古来から日本人は、神様のご神気が、人の運気を高め、気力、気運、元気を与えてくださるものと認識して、自宅に神棚と仏壇を設けて神仏を祀り、聖と俗を区別して共存するという伝統と文化を生みました。だから、秋のケガレ(気枯れ)を、神無月、神気が不足する月と考えたのでしょう。(この続きは院長ブログ「神道の伝統を守る大切さ」をお読みください)

 夜間の冷え込みが次第に強くなり、日中との寒暖差が大きくなる秋の季節は、冬よりも寒気の影響が強く身体に影響するので、頭痛や首肩こり、腰痛が悪化したり、鼻水や咳が出やすくなり、喘息が悪化しやすくなります。
 漢方薬には、身体を温めて痛みを軽くし、喉を潤して咳を鎮め、身体を元気にする働きがあります。また、強力な抗ウイルス作用でインフルエンザやコロナ感染症を軽くして、後遺症を予防する働きもあります。
 寒気の影響で血圧が高めになることもありますが、漢方薬で血液をサラサラにして、塩分代謝をよくすると血圧が安定して血圧の薬を減らせる人もいます。
 基本的に、漢方薬は体質改善薬であり、身体を元気にする老化予防薬でもあるので、現在治療中のお薬と併用したほうが良い場合もあります。

 西洋医学は様々な検査結果を駆使して病気を除く治療をしますが、漢方医学は様々な症状や訴えの背後にある陰陽気血水のアンバランスを整えて、身体を元気にする治療をします。西洋医学だけでは心配だとか、もっと元気になりたいと感じる人には、漢方治療の併用を検討してみたら良いと思います。遠慮なくご相談ください。

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