秋雨の頃の健康管理(令和6年9月)

 もうすぐ重陽の節句です。稲穂がみのり、菊の花が咲き始める頃です。 今年は残暑が厳しいですが、陽ざしは秋分に向かって少しずつ和らいで、日没も早まっています。残暑の終わりが見えてきましたね。
 昼夜の気温差も大きくなるので、この気温差に対処できずに、首肩こりやめまい、頭痛が悪化したり、夏の疲れがなかなか取れず、体調不良が長引くことがあります。生姜など体を温める食材を増やしてください。

 初秋の気温差には、寝るときにお腹や足腰を冷やさないようにすることが大切です。お腹や脚にタオルを掛けて寝ると、体がリラックスして疲れが早く取れます。また、この気温差、夜間の気温低下によって喘息が悪化しやすくなります。喘息体質の人は、背中のツボである『肺兪はいゆ』、『風門ふうもん』を冷やさないようにして、寝る前に温めると、夜間の発作が軽くなります。五行説の『土生金』で、脾土から肺金を生じる漢方治療によって、喘息体質を根本的に改善できます。

 秋は、本格的な台風シーズンだけでなく、夏から冬へ向かって、秋雨前線が何度も日本列島を通過して、気圧の変化が激しく、湿気の影響を強く受けるときでもあります。漢方では『脾胃(胃腸)は湿を忌む』といって、胃腸虚弱の人は湿気で体調不良を起こしやすく、気象病性頭痛やめまいを起こしやすくなります。痛み止めやめまいの薬を飲んで、一時的に症状が和らいでも、漢方薬などで胃腸を元気にする根本的な治療をしないと、完治できません。

 10月からは、コロナとインフルエンザのワクチンが開始されますが、コロナワクチンを反復して接種すればするほど、コロナの免疫抗体である『コロナIgG3抗体』を無効にしてしまう『IgG4抗体』も増加するので、コロナワクチンを何度も繰り返すと、反ってコロナに罹患しやすくなり、帯状疱疹やほかのウイルス感染にかかりやすくなり、癌免疫も低下するという研究論文が、東京都医学総合研究所のサイトhttps://www.igakuken.or.jp/r-info/covid-19-info182.htmlで紹介されています。
 当院では、感染リスクを高める可能性のあるコロナワクチン接種を行わないことにしました。感染したらすぐに漢方薬を飲めば重症化し難いからです。インフルエンザワクチンの方は、10月から予約なしで、随時、接種できますので、よろしくお願いいたします。