本格的な秋の冷え込み(令和5年10月)
(10月8日)10月になり1週間で、さすがに残暑も去り、山に初冠雪のニュースが聞かれる季節となりました。爆弾低気圧による秋雨前線が通過する度に秋が深まり、西高東低の冬型の気圧配置の日が増えてきました。
漢方医学は陰陽五行説という太極論で病気や健康を考える医学です。太極論は「一般システム論」の一つで、ミクロからマクロまで同じ法則で動いていて、相互に影響し合っているシステムで、ヒトと自然が一体となって動いていると考えています。
秋の気象ストレスが、陰陽五行システム論の「金気」に属し、ヒトでは肺・大腸経の経絡が反応して、呼吸器系と大腸系に負担が増え、様々な呼吸器系感染症や喘息や鼻炎が増えやすい季節です。
秋の乾燥と寒冷刺激で体表が緊張して皮膚の新陳代謝が低下した分だけ呼吸器系に負担がかかるので、咳が長引いたり、再燃したりしますが、漢方薬で喉を潤し温めてあげると良くなります。また寒さで体が強ばり筋関節痛や腰痛も悪化しやすくなります。
巷では西洋薬の咳止め薬が不足しているようですが、西洋の咳止めは体が冷えることが多いので、秋の長引く咳には向きません。一般的な痛み止め薬も連用すると体が冷えてくるので、秋には多用しない方が良いです。
秋は本格的な冬に備える季節でもありますから、秋に体調不良を感じる方は、温めて元気になる漢方薬や生姜をたっぷり効かせた鍋物の薬膳などを活用していれば、冬のインフルエンザやコロナの大流行にも役立ちますよ。