新年度・新学期に向けて(令和5年3,4月)
四月は日本の新年度、学校では新学期を迎えて、喜び半分、心配半分の人が多いと思います。
今年の干支は癸卯(みずのとう)なので、この一年もまさに新年度のような一年になるのではないでしょうか。つまり天干地支と言って、今年の天の働きは冬の終わり、地の働きは旧暦四月頃の花の蕾のような働き、つまり今までの冬のような苦しい努力がまもなく終わり、蕾となって膨らみ開花し始める年になるという意味が癸卯の年です。
この『癸卯』のような状況を理解して、今までの苦労をお互いにねぎらい、開花するのを待ってあげて、その花をお互いにめでるという余裕のある成熟した社会になれば、新年度・新学期が特に苦手な神経発達症の人たちも暮らしやすくなるでしょう。
神経発達症には、コミュニケーションが苦手でこだわりが強い、言わば職人気質のような自閉スペクトラム症ASDと、順序立てた行動や結果を待つことが苦手な、言わばドクターヘリやレスキュー隊向きの気質を持つ注意欠如多動症ADHDと、読み書き計算のいずれかが極端に苦手な限局性学習症SLDがあり、社会のストレスがとても苦手で、ストレスに曝されると誰よりも不調になってしまいます。
私は神経発達症の人たちは社会の成熟度を測るリトマス試験紙のような存在だと思います。神経発達症の人たちがもっと暮らしやすい世の中になれば、新年度・新学期が誰にでも楽しい喜びに満ちたものになり、神経発達症の人たちの二次障害に対処する向精神薬が減らせて、神経発達を促す漢方薬だけで治療できるようになるのになと思います。
4月は誰にとっても、とてもストレスフルな月です。漢方薬は全てが『心身一如』で心と体のストレスに同時に対処できるものですから、不調の時には遠慮無くご相談くださいね。